今回はQCADでの寸法記入に関する機能を見てみます。DraftSightでは水平・垂直寸法などの基本的な機能については問題ありませんでしたが、円(直径・半径)に対する引出線や公差記入は苦労した記憶があります。また寸法には「接頭語」を使用して直径(φ)や半径(R)、ネジ(M)などを表したり、交差も「±」やJISによるハメアイ規格もあるので、どの程度までQCADで描けるのかも気になる所です。, QCADの寸法記入の機能として、メニューから選択出来る内容は上記になります。この中で水平や垂直などの分かり易い機能は除き、それ以外の機能を以下より見てみます。, 位置合わせは任意の2点間に対して常に引出線を直角に出します。従って寸法値は任意の2点間の距離になります。変わって回転(線形)の場合は、寸法記入の際にオプションツールバーに表示される項目で、寸法線の角度を予め設定で固定してしまいます(下記)。, 従って回転(線形)の場合の寸法値は先の図で、赤色破線の距離(長さ)になる事に注意が必要です。また寸法記入の水平や垂直は回転(線形)の角度を0や90とした場合と同じであり、さらに位置合わせで任意の2点が水平や垂直であれば、結果として描かれる引出線や寸法線、寸法値は同じです。通常であれば水平や垂直は考えずに寸法記入は位置合わせの方法で済むかと思います。, 縦座標とは基準点からの累進寸法の事の様ですが、残念ながらその基準点は作図図面の絶対原点になっていて、任意に指定する事は出来ません。また上記では寸法値(文字)の水平方向の位置が揃っていますが、相対ゼロ点セットとカーソールの移動制限機能を利用した結果です。, また横(X)座標として記入しても寸法値(文字)は90度回転しません。その後の修正で文字位置の変更だけは可能ですが、現状ではちょっと使えそうに無い印象です。・・・そういう意味で横ではなく「縦座標」という名称?, 引出線は上記の様に引出線のみを描く機能です。矢印先端を始点として連続で線分を描く形です。上記では円の中心を始点とし、右上に第2点目、カーソールを水平方向に制限してさらに右へ第3点目とした結果です。引出線はキャンセルを行うまで続行されるので第4点目以降も自由に指定出来ますが、同時に寸法値やテキストを記入出来る訳では無いので厳密に言えば寸法機能では無い気もします。, 上記では後からテキスト機能で文字を記入しています。引出線の矢印先端は引出線を選択状態にした上で■をドラッグして少し移動させれば(その後一旦マウスボタンから指を外す)、任意の点に変更出来ます。, またオプションツールバーにある「矢印の先端」のチェックを外すと、引出線の矢印は作図されません。, 半径と直径はそれぞれ上記の様な形で記入されます。接頭語についてはオプションツールバーにある「ラベル」から選択する事が出来ます。, 寸法値の記入位置に関しては記入してからの修正で一応は行う事が出来ます。寸法を選択して矢印の●をクリックすると、矢印の向きを内側および外側に変更出来ますが、直径の文字位置までは変わらないので、別途文字の■で位置を変更します。ただし矢印を外側にした時の長さまでは変更出来ませんでした。さらにここから先の引出線の様な形状にする事も出来ないので、あまり自由度は無いと思います。, 角度は円弧や2つの線分の指定によってその角度寸法を記入出来ます。また円弧および線分の指定後のカーソール位置によって、角度寸法を記入する箇所も自由に選択出来ます(上記左)。さらにオプションツールバーにある「Use maximum angle」にチェックを入れると、上記の右の様に円弧や線分で構成される角度の最大を取る事も可能です。角度寸法についてはかなり記入しやすい印象です。, メニューから選択出来る項目の「ラベル位置リセット」は、寸法文字の位置を■を使って変更した場合にデフォルトの位置へ戻す機能です。寸法を選択した上で実行します。何度か位置を変更していて直前の位置に戻す場合は「ラベル位置リセット」ではなく、「元に戻す(Undo)」を使用します。, 有料版のProfessional版ではさらに基準位置を同じにする「Baseline」や連続する「Continue」、円弧の長さとなる「Arc Length」があります。「Baseline」や「Continue」は他の機能で代替も可能ですが、円弧長は難しそうです(円弧のプロパティから長さを知る事は可能)。, LibreCADでの寸法記入機能も簡単に見てみます。メニューから選択出来る内容は名称は異なりますが、機能自体はほぼ同じです。「平行寸法」はQCADでの位置合わせ、同じく「水平(垂直)寸法」は回転(線形)、「寸法補助線」は引出線に該当します。QCADにあった縦座標とラベル位置リセットはありません。名称からすると「水平(垂直)寸法」は合ってなく、個別にも水平寸法と垂直寸法があるので紛らわしいでしょうか。また寸法記入後の修正も、文字位置は変更出来ますが矢印の内側外側の変更は出来ませんでした。, 角度寸法ではLibreCADは円弧の指定は出来ず、2つの線分による指定方法のみになっています。さらにQCADでは上記矢印の様な角度寸法(54°)も記入出来ましたがLibreCADでは出来ません(補助線を描けば可能です)。, 引出線の形状で半径寸法や直径寸法が利用出来たり、あるいは引出線にテキスト入力機能まで含まれていれば良かったのですが、現状では別途テキストで入力するしか方法がありません。逆に角度寸法や接頭語の機能はDraftSightよりも使い易い印象です。接頭語を選択したオプションツールバーには他に公差やスケールといった機能もあるので、次回は公差をメインにオプションツールバーにある機能を見てみます。, 【QCAD-15】QCAD Community Edition 3.25.0への更新。, 【QCAD-14】QCAD Community Editionの更新(バージョンアップ)。, 【QCAD-13】QCADの外部メモリーへのインストールと他のPCでの起動について。. 【DraftSight-N3】寸法 中心マーク・直径・半径 【DraftSight-N4】寸法 角度・円弧長・ジョグ 【DraftSight-N5】寸法 引出線 【DraftSight-N6】寸法 許容差・(寸法を分割)・文字位置合わせ 【DraftSight-N7】寸法 斜線・上書き・寸法の関連付け・再構築 ※各記事はWindows 64bit版のQCAD(Community Edition)ならびにWindows版のLibreCADで確認して書いていますが、記事公開時の各バージョンによって、あるいは他のOS向けでは仕様が異なる部分があるかもしれません。また確認不足による間違いや勘違いなどがあるかもしれません。その場合は御容赦願います。, ※DraftSightおよびDraftSightロゴは、Dassault Systemesの米国およびその他の国における登録商標です。その他、全てのブランドおよびブランドロゴ、製品名は各所有者の商標または登録商標です。, 【QCAD-1】QCADのProfessionalとCommunity Editionの違いを見てみる。. WordPress Luxeritas Theme is provided by "Thought is free". WordPress Luxeritas Theme is provided by "Thought is free". DraftSightの寸法設定 2017.03.11. Copyright © 無料CADソフト「DraftSight」使い方&解説ブログ All Rights Reserved. 図面には寸法以外に文字を書き込む必要がある場面があります。2通りの入力方法をご紹介します。, 任意の位置で左クリックし、右下へカーソルを動かし右クリックしてテキストを入力するボックスを作成します。, 注釈の編集ウィンドウが表示されます。最初に赤四角で囲んだ部分に文字の高さを入力します。(単位は㎜、初期値は0.2です。) DraftSightの印刷では「色依存」印刷スタイルと「名前指定された」印刷スタイルがあります。この内、名前指定された印刷スタイルの管理と設定が出来ます。名前指定された印刷スタイルを使用する場合、オプション設定で予め名前指定された印刷スタイルの使用を有効にする必要があるとヘルプに記載があります。, 「印刷スタイル」のウィンドウで、印刷スタイルファイルのドロップダウンから設定ファイルを読み込みますが、「編集」で内容の変更や新規作成が出来ます。, ややこしいのですが、印刷スタイルの設定ファイル内にはさらに印刷スタイルの項目が複数あります。1つのファイルで1つの設定ではなくファイル内からさらにスタイルを選択します。上記のウィンドウで既存のスタイルを編集したり、新たなスタイルを追加します。また別の設定ファイルとしたい場合は「名前を付けて保存」で行います。, 1つの設定ファイル内に存在する複数の印刷スタイル設定は、「印刷スタイル」のウィンドウで「アタッチ先」の下に表示されています。アタッチ先は現在選択しているシートです。設定ファイルと印刷スタイルを選択して「OK」をクリックすると、アタッチ先に対して選択した印刷スタイルが適用されます。翻訳のミスかと思いますが、相変わらず謎の「中間ばめ」があります。, 印刷スタイルは印刷コンフィギュレーションの「その他のオプション」からも変更する事が出来ます。ちなみに名前指定された印刷スタイルの設定ファイル拡張子は(.stb)、色依存印刷スタイルの設定ファイル拡張子は(.ctb)です。, 上記は「色依存」の印刷スタイル設定です。設定ファイル内に複数の項目があるのではなく、各色によって印刷内容を決定します。従って追加や削除は出来ません。, リッチラインスタイルはオプションの作図スタイル内で「リッチライン(2重線)」の項目が開きます。, 【DraftSight-T4】ツール ユーザー座標系(CCS)マネージャー・新規CCS, 【DraftSight-T3】ツール スクリプト実行・アドイン・アプリケーションのロード. 【DraftSight-25】シートタブでの寸法と文字(その3)。 【DraftSight-24】シートタブでの寸法と文字(その2)。 【DraftSight-23】シートタブでの寸法と文字(その1)。 【DraftSight-22】モデルタブでの寸法と文字。 【DraftSight-21】シートタブからの印刷(その4)。 コマンドを実行してオプションに繋がる項目については、各オプションの説明記事にて扱う予定です。, 2019年3月19日、「Draftsight2019 SP0」が公開されましたが、Windows版については無料版が無くなり、, ※各記事はWindows 64bit版のDraftsightで確認して書いていますが、記事公開時のDraftsightのバージョンによって、あるいは他のOS向けDraftsightでは仕様が異なる部分があるかもしれません。また確認不足による間違いや勘違いなどがあるかもしれません。その場合は御容赦願います。, ※DraftSightおよびDraftSightロゴは、Dassault Systemesの米国およびその他の国における登録商標です。その他、全てのブランドおよびブランドロゴ、製品名は各所有者の商標または登録商標です。, 【DraftSight-M19】修正 分解・エンティティ(非表示・隔離・一致)・スマート選択, 【DraftSight-0】無料2D-CAD「Dassault DraftSight」をインストールする。, 【DraftSight-28】DraftSightの再インストール、バージョンアップ。, 【DraftSight-29】DraftSight2018 SP0のインストール(バージョンアップ)。, 【DraftSight-31】インストール、アクティベーション時のトラブル(追記)。, 【DraftSight-39】DraftSight2018 SP1のインストール(バージョンアップ)。, 【DraftSight-43】DraftSight2018 SP2のインストール(バージョンアップ)。, 【DraftSight-49】名前指定と色依存の印刷スタイルを理解する(その1)。, 【DraftSight-50】名前指定と色依存の印刷スタイルを理解する(その2)。, 【DraftSight-51】名前指定と色依存の印刷スタイルを理解する(その3)。, 【DraftSight-53】DraftSight2018 SP3のインストール(バージョンアップ)。, 【DraftSight-54】再アクティベーションの要求(DraftSight2018 SP3)。, 【DraftSight-55】Ubuntu版 DraftSight2019 SP0をインストールする。, 【DraftSight-56】Ubuntu版 DraftSight2019 SP0での新機能内容を見てみる。, 【DraftSight-57】Ubuntu版 DraftSight2019 SP2への更新と今後。. 今回はQCADでの寸法記入に関する機能を見てみます。DraftSightでは水平・垂直寸法などの基本的な機能については問題ありませんでしたが、円(直径・半径)に対する引出線や公差記入は苦労した記憶が … ここでは例として8を入力しました。文字の大きさを設定したら下のボックスに文字を入力し、Enterキーを押せば完了です。, また、文字高さ設定部分の左側でフォントの変更、右側で文字の装飾が可能です。Bは太字、Iは斜体、Uは下線などです。, その他にも色々とできることはありますが、文章ではなくあくまでも注釈ですので装飾にこだわる必要もないかと思います。図面ですのでそれよりも見やすさと簡潔さが重要です。, コマンドウィンドウに文字角度を指定と出ます。角度が必要な場合は数値を入力しますが、必要無い場合はそのままEnterキーを押せばスキップできます。, 指定した高さで文字が入力できるようになります。文字入力が完了したらEnterキーを押せば入力完了です。, 文字を適切な位置へ移動する場合、文字を選択した状態で右クリック、移動を選択すると文字の移動が可能になります。, 寸法スタイルの設定が終わったら、実際に寸法を入れてみます。 まずは簡単な長さ、直径の寸法入力です。[…], DraftSightで六角形などを書くポリゴン(Polygon)コマンドのご紹介です。[…], 図面の本体が書けたら寸法を入れなくてはいけません。そのままだとどんな大きさか分かりませんからね。 ここではDraftSightの寸法設定をご紹介します[…], DraftSightのインストールが完了したら起動し、次は初期設定です。基本的な箇所のみ設定していきます。[…]. 図面の本体が書けたら寸法を入れなくてはいけません。そのままだとどんな大きさか分かりませんからね。 ここではDraftSightの寸法設定をご紹介します[…] DraftSightの起動と初期設定 2017.01.26 Copyright © 無料CADソフト「QCAD」で設計・製図 All Rights Reserved. 寸法の大きさと図面の縮尺は関係しています。図形の大きさが、用紙に印刷するとした場合どのくらいの尺度になるかで、図形と寸法の矢印・文字の大きさのバランスがおかしくなってしまいます。 、こういったサイズの調整方法について解説していきます。