aureus)が陽性の場合は,潜在性の骨もしくは内臓の感染症,または心内膜炎を疑い,骨シンチグラフィーおよび/または心エコー検査を行うべきである。, 小児のFUOで最も頻度の高い原因はUTIであるため,尿検査および尿培養は重要である。FUOの場合,肺の診察が正常の場合でも浸潤およびリンパ節腫脹を調べるため胸部X線を行うべきである。腎臓または肝臓への感染の有無を調べるため,血清電解質,BUN,クレアチニン,および肝酵素を測定する。急性HIV感染症(primary HIV infection)または結核はFUOとして発現するため,HIV血清学的検査およびPPDによるツベルクリン検査を行う。, 軟便または最近の旅行歴がある場合は,便培養または便中の虫卵および虫体検査が必要である。サルモネラ腸炎(Salmonella)がまれに,下痢を伴わないFUOとして発現することがある。, 小児での骨髄検査は,がん(特に白血病)または他の血液疾患(例,血球貪食性の疾患)の診断に最も有用であり,そうでなければ説明のつかない肝脾腫,リンパ節腫脹または血球減少がある場合に必要となりうる。, 症例によって血清学的検査が必要となる感染症には,エプスタイン-バーウイルス感染症,サイトメガロウイルス感染症,トキソプラズマ症,バルトネラ症(ネコひっかき病),梅毒,および特定の真菌または寄生虫感染症などがあるが,これらには限定されない。, リウマチ性疾患の強い家族歴がある5歳以上の小児では,抗核抗体(ANA)検査を行うべきである。ANA検査陽性は,基礎疾患として結合組織疾患,特にSLEを示唆する。最初の評価結果が陰性の場合,免疫グロブリン(IgG,IgAおよびIgM)を定量すべきである。低値の場合,免疫不全が示唆される。慢性感染症または自己免疫疾患では高値となりうる。, 副鼻腔,乳様突起,および消化管の画像検査はこれらの領域に関連する症状または徴候がある場合のみ最初に行うべきであるが,最初の検査の後,診断がつかないままのFUOのある患児では必要となりうる。赤沈亢進またはCRP上昇,食欲不振,および体重減少がみられる患児,特に腹部症状(貧血の有無は問わない)の愁訴もある患児では,炎症性腸疾患を除外するための検査を施行すべきである。しかし,他に原因が見当たらず発熱が持続し,腰筋膿瘍やネコひっかき病などの疾患によって発熱が起こっている可能性がある患児の場合,最終的には消化管の画像検査を施行すべきである。超音波検査,CT,およびMRIは,腹部の評価に有用であり,膿瘍,腫瘍,およびリンパ節腫脹を検出できる。中枢神経系の画像検査は,FUOの小児の評価には一般に有用ではない。持続する頭痛,神経学的徴候,または脳室腹腔シャント留置のある小児では,腰椎穿刺が必要な場合がある。骨シンチグラフィーや標識白血球シンチグラフィーなどの他の画像検査は,他に原因が見当たらず発熱が持続する選択された患児において,これらの検査により検出されうる病巣が疑われる場合に役立つことがある。細隙灯による眼科的診察は,ぶどう膜炎(例,若年性特発性関節炎[JIA]でみられる)または白血病浸潤を調べるため,一部のFUO患者で有用である。生検(例,リンパ節や肝生検)は,特定臓器への感染を示唆する所見がある小児に対してのみ行うべきである。, JIAが疑われる場合を除き,抗炎症薬または抗菌薬による経験的治療を診断の方法として使用すべきではない;そのような症例ではNSAIDの試験的投与が推奨される第1選択の治療法である。抗炎症薬または抗菌薬に対する反応は,感染性の原因と非感染性の原因との鑑別に有用ではない。また,抗菌薬によって培養結果が偽陰性となる可能性があり,重要な感染症(例,髄膜炎,傍髄膜感染症[parameningeal infection],心内膜炎,骨髄炎)の見逃しや診断の遅れにつながる。, その他の点では健康な小児の発熱は,必ずしも治療が必要ではない。解熱薬で楽にすることはできるが,感染症の経過を変えることはない。実際には発熱は感染に対する炎症反応において不可欠な役割を担っており,患児が感染と戦う助けとなる。しかしほとんどの医師は,心肺疾患,神経疾患,または熱性痙攣の既往のある小児を対象に,不快感を軽減して生理学的ストレスを低減するために解熱薬を使用している。, イブプロフェンはプロスタグランジンの胃粘膜保護作用を低下させ,長期間使用すると胃炎につながる可能性があるため,アセトアミノフェンの方が好まれる傾向がある。しかし最近の疫学研究によってアセトアミノフェンの使用と小児および成人での喘息の有病率とに関連性が認められたため,喘息の小児または喘息の強い家族歴を有する小児ではアセトアミノフェンの使用を避けるべきであると提案する医師もいる。アセトアミノフェンの場合,10~15mg/kgを4~6時間毎に経口,静注,または直腸内投与する。イブプロフェンの場合は,10mg/kgを6時間毎に経口投与する。1度に1つの解熱薬を使用することが望ましい。高熱の治療に際し,この2つの薬剤を交互に投与する医師もいるが(例,午前6時,午後0時,午後6時にアセトアミノフェン,午前9時,午後3時,午後9時にイブプロフェン),このアプローチは介護者が混乱し誤って推奨1日用量より過量に投与する可能性があるため推奨されない。インフルエンザおよび水痘などの特定のウイルス性疾患の場合,アスピリンはライ症候群のリスクを増大させるため,小児でのアスピリン使用は避けるべきである。, 薬剤以外の発熱に対するアプローチには,患児を温浴させる,冷罨法を用いる,服を脱がせるなどがある。冷水浴は不快かつシバリングを誘発し逆に体温を上昇させるため,冷水浴を用いないよう介護者に注意すべきである。水温が患児の体温より少しでも低い限り,温浴により一時的な緩和が得られる。, アルコールが皮膚から吸収され中毒を起こす恐れがあるため,イソプロピルアルコールで身体を拭くことは絶対に勧められない。無害なもの(例,靴下に玉ねぎやジャガイモを入れる)から不快なもの(例,コイニング[coining],カッピング[cupping])まで多数存在する民間療法も避けるべきである。, 局所的な徴候がなく発熱のある24カ月未満の小児(主として予防接種が完了していない小児)では,病原菌が血流中に存在し(潜在性菌血症)生命を脅かす恐れのある感染症の初期段階である可能性が,まれではあるが実際に存在する。, Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.Aは、米国とカナダ以外の国と地域ではMSDとして知られる、すこやかな世界の実現を目指して努力を続ける、グローバルヘルスケアリーダーです。病気の新たな治療法や予防法の開発から、助けの必要な人々の支援まで、世界中の人々の健康や福祉の向上に取り組んでいます。 このマニュアルは社会へのサービスとして1899年に創刊されました。 古くからのこの重要な資産は米国、カナダではMerck Manual、その他の国と地域ではMSD Manualとして引き継がれています。私たちのコミットメントの詳細は、Global Medical Knowledgeをご覧ください。, 必ずお読みください:本マニュアルの執筆者、レビュアー、編集者は、記載されている治療法、薬剤、診療に関する考察が正確であること、また公開時に一般的とされる基準に準拠していることを入念に確認する作業を実施しています。しかしながら、その後の研究や臨床経験の蓄積による日々の情報変化、専門家の間の一定の見解の相違、個々の臨床における状況の違い、または膨大な文章の作成時における人為的ミスの可能性等により、他の情報源による医学情報と本マニュアルの情報が異なることがあります。本マニュアルの情報は専門家としての助言を意図したものではなく、医師、薬剤師、その他の医療従事者への相談に代わるものではありません。ご利用の皆様は、本マニュアルの情報を理由に専門家の医学的な助言を軽視したり、助言の入手を遅らせたりすることがないようご注意ください。本マニュアルの内容は米国の医療行為や情報を反映しています。米国以外の国では、臨床ガイドライン、診療基準、専門家の意見が異なる場合もありますので、ご利用の際にはご自身の国の医療情報源も併せて参照されるようお願い致します。また、英語で提供されているすべての情報が、すべての言語で提供されているとは限りませんので、ご注意ください。, このサイトは、 信頼できる医療・ 健康情報のための 倫理標準である HONcodeの条件を満たし ています: こちらから確認してください。, The trusted provider of medical information since 1899, © 2020 Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc., Kenilworth, NJ, USA. 夜の間はひたすら悪寒がしており、他は特にありませんでした。喉が痛かったですがおそらく花粉による鼻詰まりからの口呼吸のせいだと思います。 こそだてハック. パパやママは、突然、子どもが発熱したら慌ててしまいますね。どんな原因で発熱するのか、どんな対処をしたらいいのか、知っておくと慌てなくて済むかもしれません。原因はさまざまですが、考えられる子どもの発熱に多くみられる原因とその対処法をまとめました。 ?親子を助ける病児保育とは, 「突発性発疹」はほとんどの赤ちゃんが一度は経験する病気で、初めての発熱が突発性発疹という赤ちゃんもたくさんいます。今回は、突発性発疹を発症したときに慌てずにすむように、原因や症状、治療法、対処法などをまとめました。, 「ヒトヘルペスウイルス6型」や「ヒトヘルペスウイルス7型」の感染によって赤ちゃんが急に38度から40度近い高熱を出し、熱が下がった後に全身に発疹が現れる感染症です。6型は生後6ヶ月頃から1歳の乳児が、7型は1~2歳がかかりやすいという特徴があります。, 突発性発疹の主な症状は、高熱と全身の発疹です。突然の38度から40度近い高熱が出て3~4日続き、熱が下がっていくのと同時に、お腹や背中を中心にして全身に赤い発疹が現れます。咳や鼻水などはなく、高熱のわりに元気であることも特徴のひとつです。発疹はあまりかゆみを伴わず、2~3日くらいで次第に引いて跡が残ることはないので安心してください。, かぜやインフルエンザは冬の流行期に感染しやすくなりますが、突発性発疹は季節に関係なく発症します。感染する年齢は6ヶ月から2歳までの間がほとんどです。なかにはこの病気に感染しなかったり、かかっても目立った症状があらわれず、感染に気付かない場合もあります。, 一度かかってしまうと、このウイルスに対する抗体ができるため発熱するような症状は出なくなります。, しかし、この突発性発疹は2つの型のウイルスが原因で起こる病気なので、免疫のない型のウイルスに出会うと症状が出たりします。1回目は6型、2回目は7型に感染することが多いです。, 感染力が低いため、インフルエンザ等のように施設内で蔓延することはあまりなく、もし保育園等で熱と発疹の病気が流行しているということであれば、他の病気という可能性もあります。, このウイルスは、ほぼ家族など身近な人から日常生活の中で飛沫感染、経口感染、接触感染などにより感染する病気です。特にワクチンなどもなく、明確な予防法は今のところありません。, 1週間から10日ほどの潜伏期間を経て、突然38度以上の発熱を発症します。その日のうちに40度近くまで熱が出ることもあり、熱は3~4日続きます。まわりに誰もかぜをひいた人がいないのに突然高熱が出た、という場合は突発性発疹の可能性があります。, 一般的に突発性発疹は予後が良好で、元気におもちゃで遊ぶ子も多いようです。しかし、中には下痢をしたり食欲がなかったりという子もいますし、風邪の症状を伴う場合には声がかすれたり、せきをしたりという子もいます。特別な治療法はないため対症療法によって対処します。, 下痢がある場合には下痢止めの薬を、かぜの感染を伴っているようであれば鼻やのどの薬を、というように症状をしずめる薬を用いて様子を見ます。また、苦しそうでなければ薬を使わないこともあります。, 体中に発疹が広がっていたとしても、通常は2~3日、長くても1週間以内で自然に消えます。かゆくないので、ひっかき傷をつくることもなく、跡が残ることはほとんどありません。軟膏を塗ってもあまり効果はありませんし、自然に治るので何もしなくても大丈夫です。, ただし、発疹の不快感で機嫌が悪くなることも多いので、そのあたりは保育中に配慮が必要かもしれません。解熱後1日以上経過し、全身状態が良くなることが登園の目安です。, 赤ちゃんの突発性発疹とは?原因と症状、治療法、家での対処法は?保育所における感染症対策ガイドライン(2012年改訂版)保育保健における感染症の手引き2013(一般社団法人 日本保育園保健協議会), などを参考に日本病児保育協会が作成し、北浜こどもクリニック院長 北浜 直先生に監修いただいた記事をリライトしました。. 2018年6月26日 もし新型コロナウイルスに感染して、子供1人3歳いて家族3人かかったら子, 昨日から高熱が続いています。 昨日発熱し39.6まで上がり 倦怠感、頭痛、寒気、喉の痛みがあります。, 昨日の夜からお腹が痛くなり頭痛がひどく、発熱しました。 今は熱が引いてますが、少しの頭痛とお腹が痛く, 昨日から、風邪と頭痛と倦怠感と、吐き気で、今日まで風邪も続いていて、新たに下痢も発症しました。食べる. meningitidis)(これら微生物は菌血症,髄膜炎,および/または敗血症を起こしうる;他のよくみられる感染症には,中耳炎および肺炎[肺炎球菌(S. 旦那が昨日晩から発熱しております。 海外渡航歴は無し。 昨日晩→3, 39度越えの発熱をしました。 地域のコロナ相談所に電話をするのが先ですか? influenzae),M. こどもでは、37.5℃以上を発熱と考えます。 大人では37℃を越えれば発熱と考えますが、こどもは体温が高めで、新生児から小学生くらいまで,大体36.5~37.5℃くらいが正常の体温です。 小さい子どもが風邪などで熱を出し、夜寝ているときに体がビクッとなることがあります。赤ちゃんのモロー反射の動きによく似ていますが、このビクッはなぜ起きるのでしょうか。我が家の体験談も一緒にまとめています。 aureus),Salmonella属,K. influenzae),M. こそだてハック, 2017年3月14日 kingae]などがある), 新生児または易感染性宿主:Candida属が最も頻度が高い(UTI,髄膜炎および/または敗血症), がん(リンパ腫または白血病などのリンパ細網系悪性腫瘍が最も多いが,神経芽腫または肉腫もみられる), 現病歴の聴取では,発熱の程度および持続期間,測定方法,および解熱薬(使用した場合)の用量および回数に注意すべきである。重篤な疾患を示唆する重要な合併症状には,食欲不振,易刺激性,嗜眠,および啼泣の変化(例,持続時間,性質)がある。原因を示唆する可能性のある合併症状には,嘔吐,下痢(血液または粘液の存在など),咳嗽,呼吸困難,四肢または関節をかばう動作,および強い臭いまたは悪臭のある尿などがある。薬剤性の発熱の可能性があるか薬歴を調べるべきである。, 感染の素因を同定する。新生児では,このような素因として未熟性,長時間の破水,母体の発熱,および出生前検査陽性(通常,B群レンサ球菌感染,サイトメガロウイルス感染,または性感染症を対象)などがある。全ての小児では素因として,感染症への最近の曝露(家族および介護者の感染症など),医療器具の留置(例,カテーテル,脳室腹腔シャント),最近の手術,旅行および環境性曝露(例,流行地域,ノミ,蚊,ネコ,家畜,または爬虫類),および既知の免疫不全または免疫不全の疑いなどがある。, 系統的症状把握(review of systems)では,鼻汁または鼻閉(ウイルス性URI),頭痛(副鼻腔炎,ライム病,髄膜炎),耳痛または不快な徴候を伴う夜間の中途覚醒(中耳炎),咳嗽または喘鳴(肺炎,細気管支炎),腹痛(肺炎,レンサ球菌による咽頭炎,胃腸炎,UTI,腹腔内膿瘍),背部痛(腎盂腎炎),および関節の腫脹または発赤の既往(ライム病,骨髄炎)などの,可能性のある原因を示唆する症状に注意すべきである。反復感染の既往(免疫不全)または体重増加不良または体重減少などの慢性疾患を示唆する症状(結核,がん)を同定する。特定の症状は評価の目を非感染性の原因に向けるのに有用である;例えば,動悸,発汗,および暑さへの耐性低下(heat intolerance)などの症状(甲状腺機能亢進症)や反復性または周期性の症状(リウマチ性疾患,炎症性疾患,または遺伝性疾患)などである。, 既往歴の聴取では,過去の発熱または感染症,および感染の素因となる既知の疾患(例,先天性心疾患,鎌状赤血球貧血,がん,免疫不全)に注意すべきである。自己免疫疾患または他の遺伝性疾患の家族歴(例,家族性自律神経失調症,家族性地中海熱)も調べる。ワクチン接種歴を確認し,ワクチンにより予防可能な感染のリスクがある患児を同定する。, 体温および呼吸数の異常に注意しつつ,バイタルサインを評価する。重症感のある(ill-appearing)患児では,血圧も測定すべきである。正確に測定するため,乳児では体温を直腸で測定すべきである。咳嗽,頻呼吸,または努力呼吸を認めるあらゆる患児にはパルスオキシメトリーを行う。, 患児の全体的な外観および診察に対する反応が重要である。発熱のある患児が非常に従順であるか,または元気がなく物事に関心を示さない場合は,非協力的な小児より注意が必要である。しかし,なだめることのできない,いらいらした患児もまた注意すべきである。発熱のある患児で重症感が強い場合には,特に体温が下がった時,大いに注意が必要であり,精密な評価および継続的な観察を要する。しかし,解熱薬投与後に楽になったように見える場合でも,常に良性の疾患であるとは限らない。, 体幹および四肢にレース様の斑状丘疹状皮疹と頬の平手打ち様紅斑(slapped-cheek appearance), 鼓膜の発赤と膨隆,ツチ骨輪郭・光錐など鼓膜のランドマークの不明瞭化および可動性の消失, 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)またはA群レンサ球菌感染に続発するリンパ節炎, 新生児では,エプスタイン-バーウイルス感染症,TORCH感染症(トキソプラズマ症,梅毒,水痘,コクサッキーウイルス,HIV,パルボウイルスB19), 重篤な疾患が常に高熱を起こすとは限らず,多くの発熱は自然に治癒するウイルス感染症によって起こるが,2歳未満の小児での39℃以上の体温は潜在性菌血症のリスクが高いことを示唆する。, 他のバイタルサインも重要である。低血圧がある場合,循環血液量減少,敗血症,または心筋機能障害を考慮すべきである。低血圧のない頻脈は,発熱(正常より1℃上がるごとに10~20回/分上昇)または循環血液量減少による可能性がある。呼吸数増加は発熱に対する反応の1つであるか,原因が呼吸器であるか,または代謝性アシドーシスの呼吸性代償であることを示唆する場合がある。, 急性発熱は,ほとんどの場合感染性であり,そのほとんどはウイルス性である。その他の点では健康で重症感のない2歳以上の小児では,病歴聴取および診察によって十分診断が可能である。典型的には,ウイルス性の呼吸器疾患(最近の疾患との接触,鼻汁,笛音,または咳嗽)または消化管疾患(疾患との接触,下痢,および嘔吐)が認められる。他の所見も特定の原因を示唆する( 発熱のある小児の診察)。, しかし24カ月未満の小児では,潜在性菌血症の可能性に加えて,重篤細菌感染症(serious bacterial infection)の新生児および幼若乳児では感染病巣の所見がないことが多いため,異なるアプローチが必要である。評価は年齢群によって異なる。受け入れられている分類法は,新生児(≤ 28日),乳児期早期(1~3カ月),および乳児期後期の乳児と幼児(3~24カ月)である。臨床所見にかかわらず,発熱のある新生児では即時の入院,および危険な感染症を除外するための検査が必要である。乳児期早期では,スクリーニング検査の結果およびフォローアップのため通院できるかどうかによって入院の必要性が決まる。, 急性反復性/周期熱および慢性発熱(FUO)では,多数の可能性のある原因を疑う必要がある。しかし,特異的な所見は原因疾患を示唆することがある(例えば,アフタ性口内炎,咽頭炎,およびリンパ節炎[PFAPA症候群];鼻汁または鼻閉を伴う間欠的な頭痛[副鼻腔炎];体重減少,高リスク曝露(排菌感染者との濃厚な接触),および盗汗[結核];体重減少または体重増加不良,動悸,および発汗[甲状腺機能亢進症];体重減少,食欲不振,および盗汗[がん])。, 急性発熱では,感染症の原因に対する検査を年齢に応じて行う。一般に36カ月未満の患児では,重症感がなく明らかな感染病巣がある(例,中耳炎)場合でも,重篤な細菌感染症(例,髄膜炎,敗血症)を除外するため徹底的に調べる必要がある。この年齢群では,在宅管理の全ての小児で早期のフォローアップ(電話および/または外来受診)が重要である。, 生後1カ月未満の発熱のある患児全てに対し,目視法による白血球分画を含む白血球数の測定,血液培養,尿検査および尿培養(採尿バッグではなくカテーテルで採取),ならびに病歴の危険因子から適応があれば培養および適切なPCR検査(例,単純ヘルペス,エンテロウイルス)による髄液の評価が必要である。呼吸器の症状がある場合は胸部X線を,下痢がある場合は便中白血球および培養用の便検体をスワブで採取する。新生児の場合は入院させ,新生児期に最も多い病原菌をカバーした経験的抗菌薬投与を静注にて行い(例,アンピシリンおよび ゲンタマイシン,またはアンピシリンおよびセフォタキシム),血液,尿,および髄液培養が48~72時間陰性となるまで抗菌薬を継続する。新生児に重症感がある(ill-appearing),皮膚粘膜に小水疱がある,母体に性器ヘルペス(HSV)感染歴がある,または痙攣がみられる場合はアシクロビルも投与すべきである;髄液のHSV PCR検査結果が陰性の場合はアシクロビルを中止する。, 生後1~3カ月の発熱のある患児は,体温,臨床所見,および検査結果に基づいて鑑別する。一般に全例に対して,目視法による白血球分画を含む白血球数の測定,血液培養,尿検査および尿培養(採尿バッグではなくカテーテルで採取)が必要である。呼吸器の症状がある場合は胸部X線を,下痢がある場合は便中白血球および培養用の便検体をスワブで採取する。腰椎穿刺による髄液の評価を培養も含めて行うが,生後61~90日の乳児については,健康そうに見え,直腸温 < 38.5℃,尿検査正常および白血球数正常(5000~15,000/μL),介護者に知識がある,確実な輸送手段がある,フォローアップの体制が確立している場合,対象外である;生後29~60日の同様に健康そうに見える乳児に対する髄液検査を先送りにする専門家もいるが,この年齢群で最低限必要な検査に関するガイドラインは確立されていない。, 生後1~3カ月の発熱のある乳児で,重症感(ill-appearing),異常な啼泣,または直腸温 ≥ 38.5℃を認める場合は,最初の臨床検査結果にかかわらず重篤細菌感染症(serious bacterial infection:SBI)のリスクが高い。そのような乳児は入院させ,血液,尿,および髄液培養の結果が出るまでの間に,生後29~60日の乳児にはアンピシリンおよび セフォタキシム,生後61~90日の乳児にはセフトリアキソンによる経験的抗菌薬療法を施行すべきである。, 生後1~3カ月の健康そうに見える乳児で,髄液細胞増多,尿検査異常もしくは胸部X線異常,または末梢血白血球数 ≤ 5000/μLもしくは ≥ 15,000/μLの場合は,前述の年齢特異的な経験的抗菌薬療法のため入院させるべきである。経験的抗菌薬療法を施行する場合は髄液検査を行うべきである(すでに行われていない場合)。, 生後1~3カ月の健康そうに見える発熱のある乳児で,直腸温< 38.5℃,白血球数および尿検査が正常(髄液検査および胸部X線が正常[実施時])の場合はSBIのリスクは低い。24時間以内に電話または再診のいずれかにより確実にフォローアップが行える場合はこのような乳児を外来で管理でき,その時に暫定的な培養結果を評価する。家庭の社会的事情から24時間以内のフォローアップが難しいと考えられる場合には,乳児を入院させて経過観察を行うべきである。帰宅させた場合でも,臨床状態のあらゆる増悪や発熱の悪化,血液培養陽性(汚染によるとは考えられないもの),または発熱の持続している乳児での尿培養陽性がみられた場合には,直ちに入院が必要であり,培養を再度実施するとともに,前述の年齢特異的な経験的抗菌薬療法を施行する。, 生後3~36カ月の発熱のある患児で,診察上明らかな感染病巣があり重症感がない場合は,その臨床診断に基づいて管理してもよい。重症感のある(ill-appearing)患児では,白血球数,血液培養,尿培養,および髄膜炎が疑われる場合は髄液培養にてSBIの評価を十分に行うべきである。頻呼吸または白血球数 > 20,000/μLの場合は胸部X線検査を行うべきである。前述の患児にはこの年齢群で可能性の高い病原菌を標的とした抗菌薬療法(通常,セフトリアキソンを使用)を非経腸(parenteral)投与にて行うべきであり(肺炎球菌(S.