彼女はゆっくりと振り返り、立ち止まる。細いヒールが床を鳴らすカチンという音が、静かな空間に響いた。 「また、いつでも会えるじゃない」 三点リーダー(…)は、会話文の文頭や文末、地の文の文末につけて余韻を表現したり、それ単体で沈黙を表したりするための記号です。会話で言葉をはっきりと言い切らないときにも使われます。 三点リーダー(…)は、会話文の文頭や文末、地の文の文末につけて余韻を表現したり、それ単体で沈黙を表したりするための記号です。会話で言葉をはっきりと言い切らないときにも使われます。 僕は意を決して、対面の彼――気だるげな瞳を窓の外へ向けている――に声をかけた。, こんな風に、文章中に登場する語句の補足説明などは平文に含めず、2倍ダーシで挟んで挿入することで、注釈部分に特別感を出すことができます。, 余談(こぼれ話)などもダーシで挟めば、本筋から脱線しすぎないなどの効果があります。, ↑のように、ダーシが入ったことで一瞬息が詰まった(頭が真っ白になった)ような「間」を作り出すことができ、文章のリズムにも変化が生まれます。, 三点リーダでも似た効果が出せますが、ダーシのほうが刹那(一呼吸ぶんくらい)の短い間を表現できます。, ↑のように書くことで、目にも留まらぬ早さで消え失せたかのように表現することが出来ます。, こういった感じで、あえて会話や地の文を途中で切って、急に場面を転換させるという使い方もあります。この場合のダーシは、後のセリフの文頭にもってきてもいいですね。, 例: 小説家や編集・校正に関わる人以外には、なかなか知名度が低いこの2つの記号。 入力方法を検索して調べようにも、正式名称がわからずに頭を悩ませてしまう方もいるはず。 というわけで、なんとかこのページに辿り着いてくださった方のために、まずはこれら記号の正規名称をご紹介。 ―:ダッシュ(ダーシ) …:三点リーダ(三点リーダー) 2つ繋げたダッシュ(ダーシ)や三点リーダは「2倍ダッシュ(2倍ダーシ)」「二 … ――嘘だ。, こんな風に、三人称だった地の文に一人称を入れたいとき、ダーシを挟むことでスムーズに切り替えることが出来ます。, 使い勝手が良い反面、ともすると気がつけば沈黙ばかりなんてことにもなってしまいがちなので、要注意です。, ダーシを使うと思考の余地がない刹那に感じられますが、三点リーダなら上手く含みをもたせることが可能です。, ↑では、文末に三点リーダを用いることで、すべてがなくなってしまった虚しさのようなものを表すことができます。, こんな風に、会話を盗み聞きしていて聞き取りづらいときなどに三点リーダで聞こえない部分をマスクする用法があります。, 言葉に詰まっているときにも三点リーダが使えます。単純に読点(、)で区切ってもよいのですが、三点リーダのほうが「言いたいことがあるもどかしさ」のような含みをもたせることが可能です。, 非常にシンプルな記号ですが、使い方によって様々な意味を付加することができる、非常に便利な2つの記号。, その使い勝手の良さからついつい多用してしまいがちですが、「……」や「――」ばかりの小説は、読みづらかったり見た目にも美しいと言えないだけでなく、一つ一つの記号の効果が使えば使うほど弱くなってしまうデメリットがあります。, 逆を言えば、これらの記号を使う回数が少なければ少ないほど、読みやすく美しい文章になるだけでなく、記号の持つ効果が最大限発揮されるという意味でもあります。, 書く人。広告コピー・コラム・小説など、いろいろ書いてます。 作文は楽しく書ける小1から。 ... 原稿用紙の使い方 ... 」(三点リーダー)が行末で分かれるときはどう書いたらいいですか。 答:「…」は記号というよりも文字のように扱われている面があるので、次のような書き方もできます。  英語ではピリオドを三つ並べたもの(…)を使うので、句点を並べるのは発想としては間違いではないのですが、三点リーダーという専用の記号があるのでそちらを使うようにしましょう。, 三点リーダーは三点リーダと表記されることがありますが、リーダーとは英語で点線・破線を意味する印刷用語のleaderのことなので、どちらかといえば三点リーダーのほうが実際の発音に近いと思います。しかしながら語尾に長音が来る場合にそれを省略することは、JIS(日本工業規格)によって定められており(三音以上の場合。二音以下は省略しない)、そのルールにのっとれば長音は省略する必要があるということになります。コンピューターをコンピュータというような感じです。, もっともJISにおける長音表記の解釈も時代とともに変わっており、現在ではつけてもつけなくても間違いではないというスタンスに変わったようです。マイクロソフトも2008年に、表記ルールを実際の発音に近い長音をつけたものに変更しています。. 文章を原稿用紙に書くときは、独自のルールがあります。作文のルールは少し複雑で、書き方を勘違いしたりして、ミスを引き起こしてしまっていることが多々あります。この記事では、文章を原稿用紙に書くルールを詳しくまとめています。ぜひ辞書代わりに使ってみてください。 Mac→「てん」あるいは「・」と入力して変換、またはキーボードのoption+「れ」。, 三点リーダーは会話文の最後に付けられることが多いですが、その場合句点を打つ必要はありません(打ってはだめなわけではないが、現在はほとんど使われていない)。, 会話文で三点リーダーを付けたあとにも文が続く場合は、句点や読点を打って区切ります。, 文の内容が連続しており、句点で明確に区切る必要がない場合(言葉の間を表現したりする場合)は、句点を打たなくても大丈夫です。, 地の文の文末に三点リーダーを付けるときに句点をどうするかについてですが、明確なルールがあるわけではないので、打っても打たなくてもどちらでもいいということになります。ただし、現在流通している出版物においては句点を打っているものがほとんどです。, 例外的ですが、たとえば登場人物の意識が消失していく様を表すときなどは、三点リーダーのあとにあえて句点を打たずに余韻を表現する、という使い方をすることもできます。, 三点リーダーの代わりにナカグロ(・)の連打や読点(、)、句点(。)を三つ並べた文章を目にすることがあります。これは一般的な用法ではないので三点リーダーを使うことをおすすめします。 Copyright © 2006-2020 物書きのための文章作法 All Rights Reserved. 文章を原稿用紙に書くときは、独自のルールがあります。作文のルールは少し複雑で、書き方を勘違いしたりして、ミスを引き起こしてしまっていることが多々あります。この記事では、文章を原稿用紙に書くルールを詳しくまとめています。ぜひ辞書代わりに使ってみてください。, 題名が長くて2行になる場合は、2行目の始めを1行目より1マス以上下げて書き始めます。また、1行目は最後のマスまで書かずに、区切りが良いところで改行するといいでしょう。, 題名の次の行に、下のマスが1~2マス空くように書きます。また、姓と名前の間は通常1マス空けます。コンクールによっては、題名と名前などは欄外か別紙に記入し、原稿用紙には本文のみを書くこともあります。, 段落を書き始めるときは、上を1マス空けて書き始めます。また、改行して新しい段落にするときも、上を1マス空けて書き始めましょう。, 句読点とは「。」や「、」のことです。文字と同じように1マスに1つ書くようにしましょう。位置は、マスの右上に書くようにしましょう。, また、句読点は行の始めに書くことができません。そのため、前の行の最後のマスに文字と一緒に書くか、前の行の欄外に書きます。.  基本的には「…」×2、つまり「……」の形で使用します。とはいえ必ず「…」×2の形で使わなければいけないというわけではなく、たとえば会話文において長めの沈黙を表したいときに「………」と表記しても問題ありません。ただ現在の出版物においては「……」の形でほぼ統一されているので、これから文章を公に発信しようと思っている方は、「……」を採用したほうがいいでしょう。, ちなみに類似した二点リーダー(‥)という記号がありますが、文章作成において二点リーダーを使う場面は特にないです。, Windows→「さんてん」と入力して変換、または「・」(ナカグロ。キーボードの「め」の位置)を三回押して変換。 ※noteで即興ショートショート執筆中。, これからの時代の小説タイトルは、「気になって思わず手に取ってしまう」と「読み終わったあとに深い意味がわかる」が両立していないとダメ。タイトルの付け方・決め方一つで売上が2、3桁変わるなんてのは、もはや都市伝説じゃなくなっている。, プロット否定派の多くは「プロットは厳守すべきもの」という勘違いをしている気がします。正しいプロットの書き方は、書いたものよりもその思考過程にこそ意味があり、むしろプロット自体は積極的に破壊していくものだったりしますよ。, やってはいけない小説新人賞応募→一つの作品に時間をかけすぎる・応募規定を無視・梗概・書き出しに手を抜く——「作品の中身が面白ければいいでしょ?」という感じに考えている人は、プロを目指すための自覚が足りていないです。, 小説講座の失敗パターン3例→目的に合わない講座を選ぶ・時間がなくてしっかり学べない・講座だけに頼りすぎてしまう——せっかく作品添削があるのに、充分な時間が取れずに満足いく作品が出せない・・・とか勿体ないですよね。, 小説家が学ぶべき3つのスキル→ストーリーテリング・ライティング・マーケティング——上の2つばかり注目されがちですけど、「面白い作品が書ければなんとかなる」という考えは、「良い商品を作れば売れる」と考える日本企業と一緒なんですよね。, 『ライカツ』では、文章が上手くなりたい人・文章で稼いでいきたい人向けに、役立つノウハウやアプリなどの情報を発信しています。, 「—(emダッシュ)」と「―(HORIZONTAL BAR)」はどちらが正しいの?. こういったごく基本的な校正ルールがしっかりと守られていないと、どれだけ内容が良くても文章の質が低い印象を与えてしまいます。, 入力方法を検索して調べようにも、正式名称がわからずに頭を悩ませてしまう方もいるはず。, というわけで、なんとかこのページに辿り着いてくださった方のために、まずはこれら記号の正規名称をご紹介。, 2つ繋げたダッシュ(ダーシ)や三点リーダは「2倍ダッシュ(2倍ダーシ)」「二倍三点リーダ」と呼ばれます。※「六点リーダ」という言葉はありません。, エディタやフォントによっては、見た目の違いがわかりづらいものもあるので、誤用に気づかないケースも多いのですが、使うときは意識して用いるようにしましょう。, 特に、「─(罫線)」は2つ繋げても切れ目が出にくいため、プロでもうっかり使ってしまうことがあるのですが、縦書きにした際に向きが直らないなどの問題が発生してしまうため、しっかりとダーシを用いるように。, 投稿サイトなどでもよく見かけるのが、中黒(・)や句読点(、。)を3つ並べて三点リーダのように用いるやり方です。, 雑記ブログなどにあえて使って、くだけた文にするテクニックもありますが、小説の文章に関しては(たとえアマチュアでも)こういった用法は使わないほうが賢明です。, ダーシや三点リーダは必ず2つ繋げて(2倍ダーシ・二倍三点リーダ)用いるのが鉄則。例外はありません。, 多くの日本語変換ソフトで「ダッシュ」と入力すると「―(HORIZONTAL BAR:U+2015)」が出てきます。, 本来なら、名称的にも「—(emダッシュ:U+2014)」を用いるのが正しいはずなのですが、どうしてかHORIZONTAL BARが使われるケースが多いんですよね。, emダッシュはWindowsや一部のエディタ環境で文字化けや表示のズレなどが起きることもあるので、郷に入れば郷に従い、基本的にはHORIZONTAL BARを使うほうが無難でしょう。, ただし、この方法で入力できるダーシは「emダッシュ:U+2014」であり、上記で説明したようにWindowsの一部環境などで文字化けやずれが起きる恐れがあります。, Windowsでは「だっしゅ」で変換するとHORIZONTAL BARが出てくるのでこちらを使えばいいのですが、macはひと工夫が必要です。, mac標準の「ことえり」やiOSでは、HORIZONTAL BARを出すことが出来ないため、以下のどちらかの方事前準備が必要です。, ちなみに僕は2倍ダーシ(――)や二倍三点リーダ(……)を「だし」「てん」で単語登録しています。, 例: