コロナ禍のため今年は2月ごろから色々なスポーツが中止になり、ちょうど「ハイシーズン」に当たっていたマラソンも多くの大会が取りやめや延期になりました。, ファンにとっては早く普通のマラソン大会が見たいところ。マラソンといえば、どの国際大会でもいつも驚かされるのがアフリカ・ケニア勢の圧倒的強さです。ケニア人はマラソンでなぜ強いのか?長距離走に滅法強いケニア人の「秘密」を探りました。, まずはどのくらいケニア選手のマラソンが速いのか、歴代公式記録からピックアップしてみましょう。, なんと10位までの全員がケニアかエチオピア勢。さらにこのリストは同じ選手のベスト記録での比較ですので、例えば世界記録保持者のキプチョゲ選手は他に2位、5位、8位の記録も持っており、なんとベスト10以内に4回も登場する規格外の超絶な強さを誇っています。, まさに現代の「ミスターマラソン」、世界で断トツにマラソンが強い男キプチョゲ選手の経歴を簡単に振り返ってみましょう。, エリウド・キプチョゲ選手は35歳。陸上競技を始めたのは高卒後という「遅咲き」ですが、早くから抜きんでた才能を見せ、13年に初マラソン挑戦。2度目の同年のベルリンマラソンでいきなり当時世界4位の2時間4分を出し世界の度肝を抜きました。, 五輪ではアテネ5000m銅、北京5000m銀、リオマラソン金を獲得。既にベテランの域にありながら衰えを見せず記録を塗り替える凄さも際立ちます。非公認記録では17年に2時間00分台を計測。, さらに19年には、ウイーンでの特別レースでなんと1時間59分40秒というとんでもない記録を達成。これも非公認レースでしたが、キプチョゲ選手は人類史上始めて「マラソンで2時間を切る」という歴史的偉業を成し遂げた男となりました。, このほかにもケニア男子ではキプサング、キメット選手ら錚々たる歴代世界記録保持者の強豪が続々います。, 非公認ながら人類史上初めて2時間以内でフルマラソンを走ったキプチョゲ選手を筆頭に、「異常に速い」ケニアの選手。なぜ強いのか、ネットの専門家の解説などから探ってみました。, まず多くの専門家が最初に指摘するのが「国の標高が高い」こと。ケニアは赤道直下の国なので「さぞ暑いんだろうなー」と考えますが、実は大部分が標高1100~1800mの高原なので年平均気温は19度ほど。, 標高が高い場所は酸素が薄いので、こうした国の選手は幼い頃から、日常生活や遊びなどの活動の中で自然と心肺機能が強まり、効率的にエネルギーを出せる体になっているという特徴があるそうです。, こうした国の地理的な環境に加えて、民族的に骨格や筋肉などが「長距離向き」にできているともいわれます。例えば日本人ではフラットな骨盤が、キプチョゲ選手では前傾しており、自然と足が前に出やすい骨格だとされます。, 現役時代早大や旭化成で活躍し現在はケニアでコーチを務める八木勇樹氏によると、部族ごとにも特徴が異なるそうで「標高2100mの都市エルドレットに多いカレンジン族は、細身の体型で長距離やマラソンで活躍する選手が多く、標高約1600mの首都ナイロビに多いキクユ族は筋肉質の体型で、陸上長距離トラック競技で活躍する選手が多い」といいます。, 長距離走の走り方には「足指の付け根辺りから着地する」「かかとから着地する」という2種類があるそうですが、前者は足と地面の接地時間が短く、足への負担が少ないといいます。, きれいに舗装された道路が少ないケニアでは、道路上の石や木などで足にケガをしないよう、子供の頃から接地が少ない走り方をする選手が多く、自然と「次の一歩が速い」走法が身についたとの分析もあります。, 世界的にみても貧しい地域の一つであるケニア。中には学校に行けず早くから働く子供たちも多く、多額の賞金などが手にできる「世界的なマラソンランナー」になることは大きな夢・憧れでもあります。, 国内にはランナー養成所が数多くあり、「家族に楽させたい」と必死に頑張る少年達が多数しのぎを削る日々。単に「環境がいい」「生まれつき体が向いている」というだけでなく、「絶対にトップになってやる!」という強靱なハングリー精神も強さの秘密だといえそうです。, キプチョゲ選手らケニアの強豪も多くが話題のナイキ製厚底シューズ「ヴェイパーフライ」を履いていますが、文字通り「鬼に金棒」状態。これからもどこまで記録が伸びるか注目されます。, ただ記事でご紹介した八木コーチはじめ、トップランナーの多くは「陸上選手の実力は道具じゃなく本人の力」だと声を大にします。人間の素の力を競うシンプルな「原点的スポーツ」こそ陸上の魅力。確かに、日本独特な薄型シューズで好記録を出す選手もいますし、最先端の道具はあくまで「選手の優れた能力をアシストする」ものだと考えたいものです。, 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。. フル 2時間35分(2018つくば)   【トレイルレース】 「ケニア・エチオピアのマラソンを取り巻く環境を知りたい」, 2019年7月現在の世界記録2時間1分39秒の保持者は、ケニアのキプチョゲ選手です。世界記録のみならずマラソン歴代記録上位の多くがケニアの選手で、たまにエチオピアの選手が入っている構図が続いています。, よく「黒人の身体能力がすごい」と言われますが、それなら2国の周囲にあるエリトリア、ウガンダ、タンザニアも同じように活躍していてもおかしくないです。この2国だけがマラソンでこれほどの成果を残しているのはなぜでしょか?, 【2019年7月追記】2019年4月のロンドンマラソンでエチオピアの2選手が世界歴代10位に入るタイムで走り、ケニアとエチオピアの選手5人ずつで歴代10位が構成されています。, 人によってどの説を支持するかは異なりますが、遺伝的に身体能力の高い人が、ハングリー精神が生まれやすく通学が長い傾向のある環境に置かれて強くなったと複合的に主張されることが多いですね。, しかし、これはアフリカの他の国でも当てはまる可能性があるので他の要因を考えてみます。, 各国にはお家芸と呼ばれるスポーツがあります。その競技では身体能力が劣っている場合でも強い。日本でいえば柔道やレスリング、最近では体操や卓球も強いですね。, これらのスポーツでは「日本が勝つもの」と考えられているため選手の意識が高く保たれ、トレーニング環境も整い国民からも期待されます。文化として根付くため、時代が変わろうともいつでも強いのでしょう。, ケニアとエチオピアにおけるマラソンやトラック競技にもこれと同じことがあてはまります。, 裸足でローマオリンピックのマラソンを制し、東京オリンピックで2連覇を達成したアベベはエチオピアの選手。「皇帝」と呼ばれマラソンとトラックで圧倒的な実績を残したハイレ・ゲブレセラシエもエチオピア出身です。, 世界的な英雄を見て育った子どもたち、そして自国の選手が世界のトップとして君臨するシーンを目にした国民が「お家芸」として長距離に期待をかけて環境を整え、選手を見出していくのは自然ですね。, また、ゲブレセラシエが長距離で成功して巨万の富を築いたサクセスストーリーも、エチオピアの長距離界の発展には大きな影響があったと考えられます。, ケニア選手が長距離で成果を残しはじめ、マラソン界で覇権を握り始めた頃からケニア各地に「キャンプ」と呼ばれる練習拠点が多数でき、長距離選手の強化に力が注がれています。, このキャンプは高地に設置され起伏が激しい。さらに不整地が多く長距離の走力強化に適しています。こうした環境で成功を夢見る選手が競い合って実力を高めているのですね。, また、ケニア選手の潜在能力に目をつけたスポンサーやエージェントが積極的に選手を支援しはじめたことも、ケニア選手の活躍を強力にサポートしています。, 2019年7月現在のハーフマラソン世界歴代2位記録である58:23は、エチオピアの隣国エリトリアのゼルセナイ・タデッセ選手が記録したもの。, ケニア・エチオピア以外のアフリカの国々が長距離走に力を入れ始めると、ゼルセナイ・タデッセ選手のように才能あふれる走者が見いだされて現在の構図が変わってくる可能性も大いにありますね。, 1988年千葉県産。25歳に走り始めた。サウナーでありロングスリーパー。ミドルレンジのトレイルレースを中心に走っている。おんじゅくオーシャントレイル2020、みたけ山トレイルラン2019などで優勝。PBはハーフが1:10、フルが2:35。 その理由とは . 1.生まれつき高地にいるので心肺機能が強い 一時期は「日本人に向いてる競技」だと思ったんだけど…今は随分アフリカと差がついちゃったなあ, エチオピアも2000m前後の高原国で凄く涼しいんだって!ケニア選手もエチオピア選手も、マラソンをやるために生まれてきたような感じか…, 勿論ケニア人でも走るの苦手な人はいるはず!日本人でも「高地トレーニングは合わない」って選手もいたり、人それぞれよね, ケニアの人の「太りにくい体質」みたいなのも有利なのかな?八木さんによれば「肉などあまり量を食べず、甘い物大好きな人が多い」んだって。意外!, この環境で子供の頃から通学徒歩数時間とか当たり前だからね…心肺機能も脚力も先天的に鍛えられてるのはあまりにも大きい, 船酔いに例えれば、いくら頑張っても体質的な問題で残念な結果になる方もいるはず。根性だけではなく遺伝というか体質的な部分もありますよね, 日本が野球強いのと同じ理由。プロ野球選手になれば稼げるという文化が根付いてるから才能のある子供が集まる。子供の競技人口が増えれば増えるほど、プロのレベルは高くなる, 少ない酸素の中で如何に速く走るかという、ランニングエコノミーを高めるアプローチが、高地ではやり易いと言うのが大きいのかも, そういや俺も3000mで中学時代に関東大会出たが、群馬とか茨城とかと相手にならなかった。毎日3km走って通学してる連中と自転車で1kmのヤツじゃ比較対象にもならんよね, アフリカ・ケニア勢の圧倒的強さです。ケニア人はマラソンでなぜ強いのか?長距離走に滅法強いケニア人の「秘密」を探りました。, 田中将大の年俸2020年大幅減!いくら?「やむを得ず6割引…」「でも7年連続2桁勝利期待!」, ネッククーラーNEOとminiの違いは?この夏の必需品になるか実際試しブログレビュー.